水道水は安全になっている
現在、日本での水道普及率は約95%以上、水道の蛇口をひねれば水が溢れてくることが当然のこととなっています。
これは雨量が多く地形的にも水が得やすい日本の特長で、水道水が飲めることが世界的に稀であるということは良く知られています。
しかし、現在、日本の水道水は塩素消毒などの処理がなされています。
60年前までは塩素消毒をしなくても水質の保持ができたのですが、戦後、水の量が人口増加に追いついていかなくなり、消毒の処理をせざるをえなくなったのです。
また、水道水の水源も数十年前とは状況が大きく変わりつつあります。
日本は河川などの地表水を水源にするという世界では稀な状況であるため、人工増加による河川の汚染が即、水質汚染につながってしまうのです。
富栄養化・・人が住むことによる公害
透明度の低下、水の色の変化上記以外でも、人が多く集まると人の廃棄した微生物の栄養分である窒素などを含む物質が流れ込み、水源は肥沃化します。
富栄養化により、透明度の低下、水の色の変化のほか、藻類の異常増殖などが起きます。
これは湾などでも起こり、赤潮や青潮もこれが原因です。
青潮の中には毒性の強いものがあり、肝臓機能にも悪影響を与えるといわれています。
また多く使われる洗剤で発がん性物質のリンの濃度も増加します。
いつかは溶け出すはずだった砒素事件
まだ記憶に新しい2004年、茨城県神栖町で米から、砒素が検出されました。
また、同時期に飲用の井戸水を飲んだ住民がめまいや手足のしびれを訴え検査したところ、その水から高い濃度の砒素が検出されました。
また、神奈川県の平塚市や寒川町でも頭痛を訴えた住民がでました。
これらの事件は旧日本軍の廃棄化学兵器の処理の問題でした。
地層の亀裂や隆起などなんらかの原因で埋められた化学兵器が染み出し土壌が汚染されたのです。
このように古い施設が年月によって老朽化し壊れるのは産業廃棄施設などでも可能性のある恐ろしい汚染公害なのです。
発ガン性物質トリハロメタン
微生物の活性な夏場になると濃度も上昇トリハロメタンは浄水場の塩素処理として浄水処理されるとき発生するものです。
発がん性のある物質として有名なトリハロメタンですが、これは消毒用塩素と水中の微生物が反応してできる物質なのです。
つまり微生物の活性な夏場になると濃度も上昇するのです 。
細菌を滅菌するのにはこの塩素処理が最も効果的なので利用されているのですが、この濃度があがるのは発がん性が増すということなのです。